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映画・ドラマ

映画『沈黙のパレード』の犯人は誰?ネタバレ考察と原作小説との違いは?

沈黙のパレード画像

ガリレオ映画第三弾!

福山雅治さん主演で、北村一樹さんと柴咲コウさんが久々に再集結した映画『沈黙のパレード』

大好きな東野圭吾さんの作品なので映画も行きたかったのですが、公開時期には行けず…。

原作は先に読んでいたのですが、最近になってようやく映画も鑑賞することができました。

そこで今回は映画『沈黙のパレード』について。

犯人は誰なのか?

ネタバレ考察と原作小説との違いをご紹介していきたいと思います。

最後までお読みいただけたら嬉しいです。

映画『沈黙のパレード』とは?

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映画『沈黙のパレード』は2022年に公開されたガリレオ映画シリーズの第三弾!

主演の福山雅治さんと、ドラマ版ガリレオ一期の主要メンバーだった北村一樹さん・柴咲コウさんが9年ぶりに再集結したことでも話題になりました。

また映画ガリレオの第一弾と同様、柴咲コウさんが主題歌を歌って映画に華を添えています。

映画『沈黙のパレード』あらすじ

東京都菊野市で数年前から行方不明になっていた『なみきや』の看板娘・並木佐織の遺体が見つかった。

天性の歌の才能を持っていた佐織。

彼女は後頭部を鈍器のようなもので殴られて殺害後、焼死体となって静岡県の民家で発見されました。

発見場所には、佐織の他に蓮沼芳恵という女性の遺体も。

蓮沼芳恵。この女性の息子・蓮沼寛一が今回の容疑者。

そして蓮沼寛一は、草薙警部に苦い過去を植え付けた人物でした。

15年前に起きた少女殺害事件の容疑者でもあった蓮沼。

その事件を担当した草薙は蓮沼の完全黙秘を前になすすべなく、無罪を勝ち取らせてしまった過去があったのでした。

国からの賠償金も手に入れて味をしめた蓮沼。

今回の佐織さん殺害事件でも黙秘を貫き、証拠不十分で釈放されます。

警視庁捜査一課の内海刑事は、今までも捜査協力をしてもらってきた天才物理学者・湯川学に事の経緯を説明。

たまたま菊野市に研究で訪れていた湯川は、懇意にしている『なみきや』に食事にいくと、渦中の蓮沼が来店します。

佐織の父や菊野市の住人に嫌がらせをし、言い争いになっている姿を目撃した湯川。

そんななか、菊野市では毎年恒例の一大イベント『パレード』が開催されます。

その最中に響きわたるパトカーのサイレン音。

佐織さん殺害事件の容疑者・蓮沼寛一が遺体で発見されたのでした。

容疑者は菊野市に住む街の住人たち。

しかし、彼らは取り調べに対して黙秘を貫きます。

沈黙が連なる事件の真相とは?

映画『沈黙のパレード』キャスト&スタッフ

★キャスト★

・湯川学:福山雅治

・内海薫:柴咲コウ

・草薙俊平:北村一輝

・並木祐太郎:飯尾和樹

・並木真智子:戸田菜穂

・戸島修作:田口浩正

・増村栄治:酒向芳

・高垣智也:岡山天音

・並木佐織:川床明日香

・並木夏美:出口夏希

・蓮沼寛一:村上淳

・新倉留美:檀れい

・新倉直紀:椎名桔平

★スタッフ★

  • 原作:東野圭吾『沈黙のパレード』(文春文庫刊)
  • 監督:西谷弘
  • 脚本:福田靖
  • 音楽:菅野祐悟、福山雅治
  • 主題歌:KOH+「ヒトツボシ」(アミューズ / ユニバーサルJ)

映画『沈黙のパレード』の犯人は誰?ネタバレ考察

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映画『沈黙のパレード』で並木佐織を殺害した犯人は蓮沼寛一です。

これだけ引っ張って、蓮沼寛一なの?って感じですが、真実はもう少し複雑でした。

まずは佐織さん殺害当日の時系列を追って説明していきます。

歌手としてのデビューに向けて、レッスンに励んでいた佐織。

しかし厳しいレッスンと、初めての恋人との甘い時間の狭間で、夢と恋愛を天秤にかけて揺れ動いていました。

そんななか、恋人との間に子どもを授かったことが判明。

佐織はレッスンをつけてくれていた新倉先生の妻・留美を公園に呼び出し、歌手を辞めようと考えている旨を相談します。

しかし、歌手を育てたいと奮闘していた夫の様子を間近で見ていた留美は、佐織に思い止まるよう説得します。

佐織はそんな新倉夫妻に対して、自分たちが叶えられなかった夢を押し付けているだけだ。

留美さんは自分が歌手として成功できなかったから、私に嫉妬している‼と激高。

その発言を聞いた留美は、とっさに佐織を突き飛ばしてしまいます。

公園に置いてあった資材に頭を打ちつけて動かなくなった佐織。

留美はどうしたらいいのか分からなくなり、慌てて公園をあとにします。

しかし、しばらくして冷静になった留美は再び公園へ。

しかし、公園に佐織の姿はありませんでした。

唯一残されていたのは、佐織が身に付けていた恋人からもらったバレッタのみ。

留実は訳の分からないまま、バレッタを持ち帰ったのでした。

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それから3年後。

佐織は静岡県の民家で焼死体として発見されます。

留実の元には蓮沼から突然の電話。

公園で留実が佐織を殺害するのを見ていた。

ばらされたくなかったら金を払えと。

留実は要求に応えてしまいます。

蓮沼は佐織殺害の罪で捕まりますが、黙秘を貫き釈放。

佐織の父を含む菊野市の住人は、パレードの日に蓮沼を恐怖に陥れて、佐織を殺害したと自供させる計画を企てます。

計画には留実の夫・新倉も加わっていました。

新倉から計画を聞いた留実。

いよいよ佐織殺害の罪を隠し通すことはできないと観念した彼女は、新倉に真実を話します。

事件の真相を聞かされた新倉は、留実を守ることを決意。

パレード当日の計画を利用した蓮沼殺害計画を考えます。

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そしてパレード当日。

蓮沼を殺害した新倉は、留実の犯行を隠すために『蓮沼が佐織殺害を自供した』と警察に嘘の供述をして出頭。

新倉は「事故」であったことを強調し「傷害致死」で起訴されます。

しかし、事態は意外な展開へ。

湯川だけが、留実さえ知らない佐織殺害事件の真相を導き出していました。

静岡で見つかった佐織の焼死体は、頭蓋骨が陥没するほど殴りつけられたことが直接の死因だと判明しています。

それならば、留実が持っている佐織のバレッタから血液反応があるはずだと。

ところが検査の結果、バレッタから血液反応はありませんでした。

つまり、留実が佐織を突き飛ばした時点で彼女は死んでいなかったということ。

蓮沼が車で運んでいる最中に佐織が意識を取り戻し、蓮沼が佐織を殺害したと考えられます。

留実が佐織を殺害したわけではないと分かり、新倉もその事実を知ることに。

そして新倉は留実を守るために殺意を持って蓮沼を殺害したことを認め、殺人として起訴されることになるのでした。

映画『沈黙のパレード』原作小説との違いは?

ガリレオ映画第三弾として描かれた『沈黙のパレード』

原作小説はそれなりの量があるので、映画の尺にするために変更されている箇所も多くあります。

ここからは原作との違いを感想と合わせて紹介したいと思います。

映画『沈黙のパレード』は映像や音楽で観客を惹き込む力がある!

映画『沈黙のパレード』は、菊野市のど自慢大会で佐織がジュピターを歌うシーンから始まります。

原作でも佐織が天性の歌声の持ち主として描かれていますが、映画として映像と音楽で表現された冒頭の歌声は本当に惹き込まれるものがあります。

明らかに他とは違う、透明感溢れる力強い歌声。

その直後に焼き付くされる佐織の人生と、菊野市の住人たちの演舞。

この佐織の歌声から演舞までの一連の流れが素晴らしい!

映画ならではの表現だなと感じます。

さらに、パレードシーンも映画で見ると華やか。

犯人たちの黙秘が貫かれていくストーリーなので、映画としては静かな作り。

しかし、パレードが明るいパートとして

描かれて雰囲気を盛り上げてくれます。

見応えがありそうなパレードは実際に見てみたいと感じます。

また、パレードに登場するゆるキャラ・キクノン。

原作ではトリックに一役かう?役割を果たしたキクノンも、映像になったことでようやくお目見えとなりました。

カエルに牙が生えたみたいなキャラクターですね。

主要キャラクターの重みが素晴らしい!

映画『沈黙のパレード』は9年ぶりに湯川・草薙・内海が再集結!

草薙の抱えてきた苦悩が前面に押し出されてストーリーが進むので、どちらかというと草薙主役・湯川・内海が脇役のような立ち位置です。

蓮沼を起訴できないことへの葛藤と無念を演じる草薙役の北村一樹さん。

それを近くで感じながら湯川に協力を求める内海役の柴崎コウさん。

なんだかんだ言いながら何件もの事件を解決して、当事者たちと関わることで少し人間味が出てきた湯川役の福山雅治さん。

3人の安定の演技と信頼の関係性がまさにガリレオを感じさせてくれます。

そして3人ともビックリするほど若い‼

明らかに年月は重ねているのに、みんな深みを増して素敵に歳を重ねていっているんですよね。

エンディングのKOH+が歌う『ヒトツボシ』もとても素敵。

その中で『容疑者Xの献身』や『真夏の方程式』の映像も流れるんですが、本当に変わらない。

変わったのは髪型くらいでしょうか?(笑)

懐かしさを感じさせてくれるエンディングの映像も必見です!

ヘリウムガスのミスリードがない?!

原作版『沈黙のパレード』では、蓮沼殺害の手口としてヘリウムガスを使ったのではないか?と湯川が仮説を立てます。

その後、捜査員がパレード会場の近くの草むらでヘリウムガスボンベとゴミ袋と蓮沼の髪の毛2本を発見。

警察は殺害方法をヘリウムガスとして捜査を進めます。

しかし、実際犯行に使われたのは液体窒素でした。

映画では湯川がヘリウムガスの仮説を立てるものの、ミスリードはなくすぐに液体窒素にたどり着きます。

映画『沈黙のパレード』はほとんどみんな沈黙しない?!

容疑者である住人全員が沈黙するという筋書きの映画『沈黙のパレード』ですが、映画版の住人はあまり沈黙しません(笑)

尺の関係が大きいのだと思いますが、沈黙を貫くのは蓮沼くらい。

あとは嘘の供述をした新倉が、本当の犯行動機を胸に秘めて沈黙していたくらいでしょうか。

特に佐織の恋人・高垣はあっさりと計画に関わったことを白状します。

原作でもたしかに、高垣の犯行(行動?)は罪に問われるものではないので警察から尋ねられたら本当のことを話していいと言われていました。

しかし、原作版高垣は計画に加担したことに悩みます。

自分だけが計画に携わった部分を語っていいのか?

それによって罪に問われることは本当にないのか?

恋人である佐織が亡くなったあとの高垣を心配していた母親に迷惑をかけたくないという背景も原作では描かれていました。

一方の映画版では、高垣の背景はバッサリカット!

警察の圧力であっさりと話してしまいます。

計画を企てた戸島修作でさえ、ほとんど沈黙しません。

まぁ、あまり沈黙が長いと映画が終わらなくなってしまうので仕方ないのですが…。

映画『沈黙のパレード』は増村栄治の過去があっさりと描かれるのみ

『沈黙のパレード』の犯行に欠かせない人物の一人・増村。

蓮沼と寝食を共にする同居人の増村は、実は15年前(原作では20年前)に起きた少女殺害事件の被害者の伯父でした。

映画ではこのくらいの情報しかないのですが、原作では増村の背景にも詳しく焦点をあてています。

職場での不運な傷害致死で前科者になってしまった増村。

親代わりとして大事に育ててきた腹違いの妹に迷惑をかけるわけにはいかないと、妹との関係を断とうとします。

しかし、妹は増村が出所するのを待って婚約者を紹介。

おおやけに兄妹のつながりを明かすことはできないけれども、妹の婚約者も増村を義兄として受け入れます。

その後、妹は女の子を出産。

直接会いに行くことはできないけれども、妹から届く女の子の写真を宝物に増村は成長を見守り続けていました。

そんな折、蓮沼によって女の子の命が奪われます。

完全黙秘を続けた蓮沼は釈放。

蓮沼の妹は精神を病んで自ら命を絶ってしまいました。

蓮沼によって、妹と姪という大切な存在を奪われた増村。

法が裁けないのなら自分が、と蓮沼に接触。

何十年もの歳月をかけて、世界で一番憎い相手の信頼を勝ち取ります。

この辺のエピソードは映画で観たかったなぁ…という気がします。

映画版では原作に出てこなかった記者(原作にいなかった…はず)が、事件を追い回しているシーンが何回か出てきます。

このシーンを削れば、少しは尺があったんじゃないかな…??と。

映画『沈黙のパレード』より原作の佐織の方が輪をかけてヒドイ

映画『沈黙のパレード』でも、佐織は高垣との子どもの妊娠により歌手デビューを辞める決断をします。

それを留美に伝えたことによって、佐織殺害事件が起きました。

映画を観ていても、佐織の行動は身勝手だなと感じます。

しかし原作では、背景が詳細に描かれているからか佐織の行動は輪をかけてヒドイと感じます。

第一に、佐織は新倉夫妻の好意で無償でレッスンを受けていました。

その後、高垣という恋人ができたことでレッスンをサボりがちに。

歌手デビュー前の大事な時期だから、デビューするまではデートも控えて欲しいという留美の言葉にも耳を貸しません。

そしてデビュー直前。

妊娠が発覚した佐織はあっさりと「子どもができたので歌手になるのを辞める」と留美に伝えます。

なんとか説得しようとする留美。

それに対して佐織は、いつも監視されているようでまるでストーカーみたい。

留美さんは自分が歌手になれなかったから嫉妬している。

自分が叶わなかった夢を夫婦二人で押し付けてくるのも重荷だと言い放ちます。

『のど自慢大会』で認められて、佐織自身が歌手になることを望んだのに。

レッスン料も取らずに、何年もの夫婦の時間を佐織だけのために割いてきたのに。

佐織の夢=自分たちの夢にしてしまった感は否めないけれど、そのくらいの投影を許してもいいほどに新倉夫妻は佐織に心血を注いできたんじゃないかなと思います。

その恩を仇で返す佐織。

本気で歌手になるほどの覚悟はなく、才能だけを持つ夢見る子どもだったんだと思います。

恋人の高垣も同様、佐織が歌手になることを口では応援しながらも本気で応援する気はなかったのかと。

だからこその妊娠で、お互いに周りが見えていない身勝手な子どもだったのだと思います。

そういう意味では、佐織と出会ってしまった新倉夫妻も被害者なのかな…と。

もし出会わなければ、留美は蓮沼から脅されてお金を取られたり(原作では身体の関係まで)することもなかったし、新倉も犯罪を犯すことはなかった。

恐らく、夫婦二人で穏やかな時間を過ごしていただろうなと思うとやるせない気もします。

タラればなので仕方ないのですが…。

まとめ

映画『沈黙のパレード』の犯人は誰なのか?

ネタバレ考察と原作小説との違いを紹介してきました。

映画版『沈黙のパレード』は、ガリレオ映画第三弾にふさわしい主要キャストが揃った見ごたえのあるストーリーです。

作品の詳細に興味をもった方は、原作の小説版を読んでみることもおススメです!

特に増村のパートはなかなかドラマがありますよ。

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