ドラマ『セクシー田中さん』最終話が放送されました。
原作者・芦原妃名子先生がドラマの9話と最終回10話を担当。
他の回も原作と大幅にずれることがないように芦原先生がチェックしたという本作。
原作を知らない方はもちろん、原作ファンも納得の完成度で最終回まで楽しめたという声が多く聞かれました。
すでに『セクシー田中さん』ロスという声も‼
そこで今回はドラマ『セクシー田中さん』の最終回について。
原作との違いや続編はあるのかについて見ていきたいと思います。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。
『※2023年12月30日に公開した記事ですが、
続編はある?を更新し、2024年1月31日に再度公開しました』
ドラマ『セクシー田中さん』最終回は?
2023年秋ドラマのなかでも、満足度ランキングで高評価だったドラマ『セクシー田中さん』
主役として毎度安定感抜群の田中さんを演じた木南晴夏さん。
キュートすぎる朱里を演じた生見愛瑠さんをはじめ、個性的な男性陣までがマンガの世界から飛び出してきたようなキャラクターでとても魅力的でした。
田中さんをめぐる三角(四角?)関係や、朱里と小西の恋の行方。
気になる最終回を振り返っていきたいと思います。
田中さんと朱里の友情が素敵!
ドラマ『セクシー田中さん』最終回は、三好さんからの突然の好意に動揺する田中さん。
そして憧れていた三好さんからの告白なのに、受け入れることができなかった自分の思いに戸惑う田中さんが描かれます。
三好さんの隣で踊れるならなんでも頑張れた…と思っていたのに、三好さんからのキスの寸前で思い出したのは笙野の顔で。
自分の気持ちが分からない田中さんは、大好きなベリーダンスにも集中することができません。
指先から足の先まで、身体のすべてで自分を表現するベリーダンス。
気持ちの乱れは、田中さんのピンと伸びた背筋を曲げてしまいます。
落ち込む田中さんですが、田中さんはもう一人ではありませんでした。
「田中さん、私とデートしましょう!」
朱里と田中さんの年齢差は20歳ほど。
性格も生き方も異なっていて、普通なら通り過ぎてしまうような二人。
いや、本当は二人の根底にあるものは似ているのかな?
人のことを偏見を持たずに見つめているところ。
地に足がついた生き方をして、芯がしっかりしているところ。
自分の価値が低いと思い込んでコンプレックスを抱えている二人。
でも、コンプレックスを抱いているからこそ、他人を尊重することを知っているし、地に足がついた生き方を求めてこれたのかな。
そのおかげで朱里は田中さんを偏見なく見つめることができて、田中さんも朱里の優しさを素直に受け入れることができたのかと思います。
田中さんと朱里はゲームセンターでクレーンゲームをしたり、初スケートを堪能したり。
そして田中さんはベリーダンスを始めたころ、できなかったことができるようになっていくのが楽しかったこと。
嫌いだった鏡に映る自分が、ベリーダンスを始めたことで少し好きに思えるようになったことを思い出します。
さらに朱里は笙野が以前、田中さんについて話していた言葉を伝えます。
「伸びやかで自由で大胆で、この人には敵わない。不器用だし他人よりは時間かかるかもしれないけど、彼女なら自分で解決できる」
朱里が笙野を見直した言葉。
そして朱里も「私もそう思います。でも、それでももし背筋が曲がりそうになったら、あたしがいつでも駆けつけます。何度でも、何度でも。田中さんが誰を選んでも、選ばなくでも、どこに行ってもどんな人生を歩んでもあたしは一生田中さんの味方です」と。
田中さんも、私も倉橋さんの味方ですと返します。
年齢も生き方も距離も乗り越えて、お互いがお互いを心から尊敬して受け入れている関係性が素敵だなと思います。
朱里と小西の恋の行方は?
ゲームとしての恋愛を楽しんでいて、どこか本気になれなかったチャラリーマン小西。
朱里との恋愛には本気で向き合うことを誓い、結婚した友人の影響もあって真剣に結婚を考え始めます。
原作でもそうですが、初登場ではすぐに退散すると思われた小西がまさかここまで成長するとは…。
そしてここは好みもあると思うのですが、ドラマ版小西カッコいいです‼
メイクを勉強する朱里に付き合ってメイクをさせてあげる。
とことん相手の話に付き合える度量がある。
相手の好みに合わせたプレゼントや言葉をスマートに贈ることができる。
さらに原作マンガではサブキャラ的容姿のチャラリーマンなんですが、ドラマ版は顔もイケメン。
まさに最終回小西はパーフェクトです‼
そんな小西が朱里を外に連れ出すと、珍しく言葉を濁します。
プロポーズもスマートに決めるのかと思いきや、そこはさすがに緊張したようで…。
でも、察しのいい朱里は「そういうこと」と。
まさかのプロポーズ拒否?!と思いましたが、満面の笑顔で「ありがとう!でもタイミング悪い」
朱里可愛すぎます‼
しかし、結婚は今すぐじゃないけど真剣に考えていると話していた小西の言葉どおり、朱里にとっても結婚は今すぐではなかったみたいです。
物語は2年後へ。
親友のはなちゃんが結婚式を挙げますが、朱里と小西はまだ結婚していないようです。
朱里はメイクアシスタントの職に就き、忙しい日々を送っているようなので、自分なりにその道を歩んでいけるという自信がついたら結婚を考えるのではないでしょうか。
ちなみに小西役の前田公輝さん、次クールのテレ朝系『アイのない恋人たち』にも出演するとのことで楽しみですよね。
田中さん・三好さん・笙野の恋の決着は?
三好さんからの突然のキスを拒否してしまった田中さん。
第9話でスーパーの特売肉を見て、真っ先に笙野に連絡しないと‼と思い立ったように、知らない間に笙野の存在が大きくなっていたんですよね。
でも、三好さん一筋だと考えていた田中さんは、自分の心の変化に気付いていませんでした。
恋愛エキスパート(本当は違うのかな?)の三好さんは、そんな田中さんの変化をすぐにキャッチ。
ライバル笙野に無難な人生なんてないことを諭します。
この三好さんの言葉、三好さんらしくて素敵だなと思います。
『無難な人生を送るなんてつまらない』じゃなくて、『無難な人生なんてない』
今結婚相手として無難だと思っている相手だって、結婚している間に相手の気持ちが変わることもある。
無難な人生なんてない。
手術を終えた笙野母からの『孫の顔が見たい』という言葉の呪縛も解けて、身軽になった笙野はお見合い相手との交際を断ります。
そして向かった先は『sabalan』のクリスマス会。
田中さんとダラブッカでの初共演を果たします。
田中さんへの自分の気持ちと向き合った笙野は、田中さんへ自らの気持ちを伝えようとします。
が、時すでに遅し。
田中さんは愛子先生と共に、ダンス留学へ旅立っていたのでした…。
ドラマ『セクシー田中さん』最終話。原作との違いは?
ドラマ版『セクシー田中さん』と原作の『セクシー田中さん』の違い。
原作マンガ『セクシー田中さん』は現在7巻までを刊行中です。
ドラマ版との大きな違いは、原作マンガ『セクシー田中さん』ではクリスマス会前に三好さんからキスを迫られて田中さんが応じるところでしょうか。
三好さんからの突然のキスを受け入れた田中さんですが、キス以上の行為に進もうとする三好さんと、三好さんが既婚者であることを思い出してパニックに陥ります。
逃げ帰ってきた田中さんは朱里にSOS。
事情を聞いた朱里は、三好さんの田中さんへの気持ちを確かめにsabalanへ。
そこで三好さんから、別居中の妻とは国際ビザ取得のための形式的なつながりがあるだけで、5年以上会っていないという話を聞かされます。
田中さんへの気持ちは本物だと。
ずっと憧れてきた三好さんの気持ちに触れた田中さんは、三好さんと付き合う覚悟を決めるのでした。
ちなみに原作マンガの笙野は、最新刊7巻の時点でもお見合い相手と婚約中です。
ところどころで田中さんを気にする描写は出てくるのですが、お見合い相手と別れるという選択肢は現時点ではありません。
また、小西も朱里との結婚を意識しだすのですが、7巻時点ではプロポーズまではしていません。
ただ、原作マンガでも最新話では三好さんと田中さんの付き合いには違和感?が生じ始めている模様。
ドラマ版『セクシー田中さん』の最終回10話と9話は原作者・芦原妃名子先生が脚本を担当したことを考えると、やはり田中さんと三好さんはお別れするのではないでしょうか。
笙野もこのまま婚約者と結婚という結末にはならない気がします。
ドラマ『セクシー田中さん』続編はある?
ドラマ『セクシー田中さん』。
原作ではクリスマス会前に三好さんと付き合うことを決める田中さん。
しかしドラマ版では、クリスマス会の前に三好さんに告白を受け入れられないことを伝え、クリスマス会でダンスを披露した直後に海外留学へと旅立ちます。
笙野が婚約破棄したことを知らずに旅立った田中さんと笙野はその後が描かれないまま、物語は2年後へ。
朱里の親友・はなちゃんの結婚式で、笙野と田中さんは他のベリーダンス仲間と共に同じステージに立ちます。
セクシーで自信あふれるダンスを披露する田中さん。
ときおり、笙野を誘惑するような視線を向けているような気も。
しかし、物語はそこで終了します。
田中さんと笙野の恋の行方は描かれませんでした。
ここからは推測になるのですが、ドラマ『セクシー田中さん』は続編ではないかもしれませんが、スペシャルで放映する可能性は高いのではないでしょうか。
もちろん原作が未完のため、それぞれのキャラクターの行く末を完全に定めずに、視聴者の納得いく形で最終回を迎えたかったというのもあるかもしれません。
ただ、あえて田中さんと笙野の結末を描かずに2年後へ物語が飛んだところに可能性はあるのでは…?
原作も物語はいよいよクライマックスへ突入。
そして原作の最終回を迎えた頃に、ドラマ『セクシー田中さん』の空白の2年間と、2年後の現在を描くスペシャルが放映されるのではないかな?と(希望的観測でもあるのですが…)
とはいえ、私の好きな作品で同じマンガ原作『凪のお暇』なども、スペシャルはできそう?でできなかったこともあるので一概には言えないのですが(苦笑)
それでも田中さんと笙野、朱里と小西のその後は見てみたい気もします。
芦原先生、ドラマ『セクシー田中さん』の出演者はじめスタッフのみなさん、ぜひよろしくお願いしま~す‼‼
【2024年1月31日追記】
『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子先生がお亡くなりになりました。
最新刊で『セクシー田中さん』のドラマ化についてコメントしていた芦原先生。
ドラマがスタートする時点でも、すでに脚本をめぐって悩まれていたことも多かったのだと思います。
原作へ込めた強いメッセージがあるからこそ、そのメッセージが曲解されることのないように伝えたい。
ドラマの1~8話の修正を含め、芦原先生が手をかけてきたという脚本には原作でも重要なセリフが散りばめられていたと思います。
キャラクターが抱えるバックグラウンドがあるからこそ発せられる言葉。
読者がキャラクターたちの背景を知るからこそ感じられる深みのあるセリフ。
芦原先生の作品は心理描写が繊細で、キャラクターの生い立ちや性格、セリフ1つを変えても作品の世界観が壊れてしまう。
作品で伝えたい想いがぶれてしまうことのないように、原作に沿ったドラマであることを望んだのだと思います。
そして全てではなかったと思いますが、芦原先生が本筋からずれることのないように修正をかけて放映されたドラマにはメッセージ性が感じられました。
誰もが共感するバックグラウンドを持つ登場人物たち。
その登場人物たちが紡ぎだす言葉には説得力があって、だからこそドラマはヒットしたのだと思います。
もちろんドラマとしての面白さもあったと思います。
キャストやスタッフの方が現場を盛り立てて、良い作品を作ろうとしたことは間違いないと思います。
だからこそ、こんな結末になってしまったことは本当に悲しい…。
少なくとも私はドラマも楽しく見せていただいていたので、こんな結末が待っているなんて…という思いでいっぱいです。
これからさらに面白くなりそうだった原作も、もう読むことができない。
これからも心に響く作品を描き続けてくれたであろう芦原先生なのに。
ドラマ化しなければよかった?いや、でも…そんな思いがぐるぐるめぐっています。
まとまらなくなってしまいました。
最後に、素敵な作品を届け続けてくださった芦原先生に感謝とご冥福をお祈りいたします。
まとめ
ドラマ『セクシー田中さん』最終話。原作との違いは?続編はあるかを見てきました。
約3ヶ月にわたり、楽しい日曜日を提供してくれたドラマ『セクシー田中さん』
製作してくださった芦原先生や出演者はじめスタッフさん方には、素敵なドラマをありがとうございましたと感謝の気持ちでいっぱいです。
ぜひまた、スペシャルなどでドラマ『セクシー田中さん』に会えたら嬉しいなと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。